「平成最後のフォント」企画に参加しました

「平成最後のフォント」企画に参加しました

先日フロップデザイン(@flopdesign)さんの企画「平成最後のフォント」に、参加させていただきました。

フロップデザインさんはこのデザイン業界では知らない人はいないのでは…というくらい、素晴らしいフォントの数々を我々デザイナーに提供してくださっている方です。

 

そんなフロップデザインさん主催による「平成最後のフォント」は、2019年5月1日に変わる新元号を盛り上げようということで、総勢300名の参加者が一人一文字を制作し、ひとつの”フォント”を作るという企画です。


このような記念すべき新元号に向けた企画ということで、ありがたいことに私も平成最後に人生で初めてのフォント制作に挑戦させていただくことができました。

 

今回はそんな初めてのフォント制作を通して、考えたこと・感じたことなどを気楽にまとめたいと思います。

 

平成最後のフォント「モ(カタカナ)」のコンセプトや制作時の思い出

私が担当したのはカタカナの「モ」です。

平成最後のフォント「モ」

フォントを作る上でのコンセプト・参考にしたモチーフ・意識した点などは、参加者によってそれぞれ違っていましたが、私が「モ」をデザインするにあたり考えた点は以下のとおりです。

  • 「モ」を発音する時の口の形、口内に空気を含む様子
  • 「モ」がもつ丸みある音
  • 平仮名にはない、カタカナが与えるポップさ

 

これらの要素から、”円・丸”で構成された「モ」を作ろうと決めました。

 

そうと決めたものの、同じ文字や形ばかりをずっと注視していると、物足りなさを感じたり「本当にこれでいいのか?」といった不安を感じることも多々あります。

フォント制作に限らず、ロゴやWebサイトのデザインを作る時にもよく起こります。

そのうえ他の方の作品を見たりしてしまうと、「自分も趣向を凝らしたり、もっとこんなアイデアを盛り込みたい…」という欲も出てきます。

 

今回も例に漏れず、制作途中で「モ」の文字の由来になったと言われている「毛」という要素も取り入れてみようと試行錯誤してみました。

ですが、複数のコンセプトや意図を無理に組み合わせようとすると「結局何が言いたいのかわからない」というデザインになってしまうことはよくあることです。

 

結局私もいくつかパターンを制作したのち、シンプルに”円・丸”にのみこだわった文字にした方が、意図が素直に表現できると考え直し、この「モ」のデザインに落ち着きました。

カタカナの「モ」(平成最後のフォント)

 

フォントを作ってみて・企画に参加してみての感想

フォントを作ってみた感想

「平成最後のフォント」に参加された方々の作品を拝見すると、堅実でシンプルなフォントのデザインもある一方で、一見しただけでは読み方がわからないがよく見てみると”その文字”に見えてくる、そんな遊び心と味のあるデザインもあり、十人十色・個性的で本当に面白いと思いました。

 

私はフォントのデザインは今回が初めてで、日頃のWebデザインではロジカルに機能美を意識することが多いので、このような”見た目”を何の制約もなしに感覚的にデザインできる機会は貴重でした。

 

ですがそんな私のフォントはというと、日頃の”機能としての分かりやすさ”を狙ってデザインしてしまうクセからか、

「やはりフォントという”人が読む”ものである以上、文字として認識しやすい形を保ちたい

という、なんだかんだで”機能美”寄りの考えが強く現れたフォントになったのでは…と思います。笑

 

それでも、ターゲットもなければクライアントやサイトの目的もない。そんな日頃のデザイン業務とはかけ離れた新鮮なデザイン体験は、デザインを学び始めたの頃の(いい意味で)自己中心的にデザインをする楽しさを思い出させてくれました。

 

このような貴重な機会を用意してくださったフロップデザインさんをはじめ、この企画を盛り上げてくださったすべての参加者の皆様に感謝します。

ありがとうございました!